子育てにおける“世代ギャップ”。
「育児観ギャップ」という言葉が、Yahoo!ニュースで話題になっています。
親世代と祖父母世代のあいだで、思いがすれ違うことは少なくありません。
「そんなことで揉めるの?」と思うような些細なことが、実は大きなストレスになることもあります。
実際に、私も経験しました。
今回は、Yahoo!ニュースに掲載されたコメント欄から、リアルな声を拾い上げつつ、子育てギャップの背景と向き合い方を考えてみました。
祖父母との子育てギャップ!昔の“当たり前”が、今は非常識?

時代とともに、子育ての常識は変わっていきます。
まずは、世代によって異なる育児の“常識”を比較してみましょう。
項目 | 昔の常識(祖父母世代) | 今の常識(親世代) |
---|---|---|
離乳食 | 口移しで食べさせることも | 虫歯菌感染リスクのためNG |
日光浴 | 「日光浴をさせましょう」 | 紫外線リスクを考慮し「外気浴」へ |
寝かせ方 | うつ伏せ寝がよいとされた | 窒息リスクあり。仰向けが基本 |
オムツ | 布オムツも一般的 | 紙オムツが主流 |
ミルクの調乳 | 40℃前後の湯冷ましで溶かす | 熱湯(70℃以上)で溶かす |
食品の注意 | ハチミツは特に気にされなかった | 1歳未満の乳児にハチミツはNG |
このように、かつては良いとされていた育児法が、科学的根拠の進化により見直されているのです。
たとえば、かつて当たり前だった「口移し」。
今では虫歯菌の感染リスクがあるため、NGとされています。
他にも、「日光浴をさせましょう」という記載があった母子手帳。
今では「外気浴」という言葉に変わり、紫外線のリスクにも配慮されるようになりました。
うつ伏せ寝も同様です。
かつては“よく眠れる寝かせ方”として推奨されていた時期もありましたが、現在は窒息の危険性があるとして注意喚起されています。
さらに粉ミルクの調乳では、昔は40℃前後の湯冷ましが主流だったのに対し、今は菌のリスクを避けるために70℃以上の熱湯で溶くのが基本。
ハチミツも、祖父母世代には“自然で体にいい”というイメージが強い食品でしたが、1歳未満の乳児にはボツリヌス菌の危険性があるため厳禁とされています。
こうした情報のアップデートは、年々加速しています。
「昔はこうだった」は、もはや通用しないことも。
だからこそ、祖父母世代も“今の育児”を知ろうとする姿勢が大切になってきているのです。
実は多い、祖父母と親の子育てをめぐるすれ違い

コメント欄をのぞいてみると、

「義母の言葉に毎回疲弊する」
「兄弟が限界を迎えて縁を切った」
「子どもの名前をめぐって産後すぐに義両親と揉めて、母親が泣いていた」
「義母が“ハチミツくらい大丈夫”と無邪気に言ってきたけど、乳児ボツリヌス症が心配で心がざわついた」
などの切実な声やトラブルを振り返る声も。
産後すぐの繊細な時期は余計に辛いですよね。
また、善意で言っていることでも、受け取る側にとっては大きなストレスになることもあります。
そして、多くのコメントに共通していたのは――
「祖父母はサポート役に徹してくれるだけでありがたい」という本音。
親が求めているのは“正解”ではなく、“共感”。
「どうする?」「手伝おうか?」の一言があるだけで、ぐっと救われることがあるのです。
専門家がすすめる“上手な関係の築き方”

子育てアドバイザーの高祖常子さんは、
まずは祖父母自身が子育て情報のバージョンアップをすることも大事でしょう。
出典:Yahoo!ニュース
と語ります。
昔の経験は貴重な財産ですが、それを“正解”として押し付けるのではなく、今の親のやり方を尊重する姿勢が求められています。
▼子育てアドバイザーの高祖常子さんの著書もご紹介!
また、弁護士の佐藤みのりさんは
乗り越える基本は、コミュニケーション(話し合い)だと思います。
子育てをする側の理屈・視点だけにこだわってしまうと、なかなかうまくいきませんが、「子どもにとってよいことをしてあげたい」との思いは同じはずなので、理解し合える道はある
出典:Yahoo!ニュース
と述べています。
そして、印象的だったのはこんな一般の声。
「私たちの時はこうだったけど、どうする?」
出典:Yahoo!ニュース
この一言があるだけで、お母さんの心はふっと軽くなる。
“押し付け”ではなく“提案”のかたちで寄り添う。
それが、世代を超えた育児のサポートの理想形かもしれません。
ここでのポイントは、子育てをしているすべての人が「子どものために」という思いが強いこと。
だからこそ、祖父母も良かれと思って口を出し、親も自分なりの“正しさ”で頑張ろうとします。
でも、それが古い情報だったり、アップデートされていないまま伝わると、気持ちがすれ違ってしまうことも。
お互いに「悪気がない」からこそ、余計にモヤモヤしてしまう――。
だからこそ、“どちらかが折れる”のではなく、“お互いに歩み寄る”ことが、何より大切なのだと思います。
まとめ|育児の主役は親、祖父母は温かいサポーターに
育児のやり方は、時代とともに変わります。
でも、変わらないのは「子どもにとって一番いいことをしたい」という思い。
親と祖父母、それぞれの立場でできることは違います。
だからこそ、互いの違いを認め合い、歩み寄ることが大切。
祖父母は無理なく、でも温かく寄り添う“助っ人”でいてほしい。
親も、ありがたさを忘れずに、感謝の気持ちを伝えたい。
すれ違いを恐れずに、子どもの幸せを軸にした“チーム育児”。
そんな関係性を築いていけたら素敵ですね。
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