こんにちは、あずきです。
我が家も大好き「カルビーのポテトチップス」が、7月から5グラム減を発表しました。
理由は「じゃがいもの高騰」。実質の値上げになります。
2025年3月からも、冷凍食品や飲料、乳製品など2,000目以上が値上げとなっており、さまざまな要因がある中致し方ないことだと理解していますが、家計には大打撃です。
そして、最近「ステルス値上げ」という言葉をよく耳にするようになりました。
カルビーのポテトチップスも典型的なステルス値上げの一例です。
・ステルス値上げとは?
・企業はなぜステルス値上げを行うのか?
・消費者に与える影響や世間の反応は?
など、まとめてみました。

引用元:カルビー公式サイトより
ステルス値上げとは?世界的にも問題に!

ステルス値上げとは?
最近よく耳にする「ステルス値上げ」。
商品の価格を据え置いたまま内容量を減らすことで、実質的な値上げを行うことを指します。
例えば、お菓子や飲料、日用品などで「パッケージは変わらないけれど、中身が少なくなっている」と感じたことがある人も多いのではないでしょうか。
「ステルス」は「ひそかに」「こっそり」という意味合いのため、気づかれないうちに値上げが実行されることから「ステルス値上げ」と呼ばれています。
また、日本だけでなく、世界的にも「シュリンクフレーション」(Shrinkflation = shrink 縮小 + inflation インフレーション)という言葉で問題になっています。
世界の事例【アメリカ・フランス・韓国】
・アメリカ
2024年2月、バイデン大統領が企業に対してシュリンクフレーションをやめるように呼びかけを行いました。
スーパーボウルで買い物をしたとき、いつもより小さな商品が同じ値段で売られているのに気づきましたか?
人々はこれをシュリンクフレーションと呼んでいるが、企業はあなたが使う1ドルに対して与えるものを減らしているのだ。
私は大手消費者ブランドに対して、このような事態に歯止めをかけるよう呼びかけている。
・フランス
2024年5月、7月から内容量が減少しているのに価格が据え置きの商品に対して、小売店での警告表示を義務付けることを決定しました。
容量削減によるステルス値上げの店頭表示を義務付け
フランス政府は5月4日、価格を据え置いたまま重量や容量を削減するステルス値上げ対策に関する省令を公布した。7月1日から、売り場面積400平方メートル以上の小売店に対し、実質的値上げに関する店頭表示を義務付ける。
参照元:JETRO日本貿易振興機構(ジェトロ)より
・韓国
韓国でも、シュリンクフレーションは「消費者の信頼を傷つけかねない」として実態調査を行うと表明。
2023年12月、日常生活に密着した品目について製造者が容量等を変更する場合には、消費者院への通知と消費者への周知義務を定める方針を発表し、2024年から通知が義務化されました。
韓国政府「シュリンクフレーション」に対応···容量変更表示義務の制度化へ
最近、製品価格を上げる代わりに密かに容量を減らすいわゆる「シュリンクフレーション」現象と関連して韓国政府が対応方案を発表した。今後、容量変更表示義務を制度化し、消費者の合理的選択に必要な情報を提供する方針だ。
参照元:亜洲日報より
ステルス値上げを行う企業の狙いとは?

このように世界的にも問題になっている中、なぜ企業はこのようなステルス値上げを行うのでしょうか。
主な理由として、以下の点が挙げられます。
- コスト増加の影響を抑えるため
原材料費の高騰、人件費や物流コストの上昇など、企業はさまざまなコストの上昇に直面しています。
価格を直接引き上げると消費者の購買意欲が下がるため、内容量を減らすことでコストのバランス調整しています。
- 消費者の心理的抵抗を減らすため
価格が上がると、消費者の購買行動に影響を及ぼす可能性があります。
内容量の変化はパッケージをしっかり確認しないと気づきにくいため、消費者の抵抗感を和らげる効果があると言われています。
- ブランドイメージの維持
値上げをすると「高くなった」という印象が強くなり、企業のブランド価値に影響を与えることもあります。
そのため、価格はそのままにして、内容量を少し減らすことでブランドイメージを守ろうとする戦略が取られることがあります。
企業においても厳しい状況の中、値上げは避けられないものだと思いますが、知らぬ間に容量を減らしたり、値上げするのは不親切だとの声もあります。
今回のカルビーは、実質値上げの告知を行ったので誠実な対応だったのかもしれませんね。
ステルス値上げの消費者への影響は?世間の反応とは!

消費者への影響
ステルス値上げは、消費者にさまざまな影響を与えます。
- 実質的な負担増
価格が変わらなくても、内容量が減ることで単価が上がり、実質的な値上げとなります。
結果的に、同じ金額で買える量が減り、家計への負担が増加してしまいます。
- 気づきにくいため購買行動に遅れが生じる
価格が上がるとすぐに気づきやすい一方で、内容量の変化は見逃しやすいため、消費者が実質値上げに気づくまで時間がかかることがあります。その間に、以前と同じ感覚で購入し続けることで、コストが積み重なってしまうことにもなりかねません。
- 他の商品への乗り換えが進む可能性
ステルス値上げに気づくと、消費者は他のメーカーの商品と比較するようになります。
よりコストパフォーマンスの良い商品へ乗り換えたり、まとめ買いをしたり、ネットショッピングなどでお得に購入するなど、対策を取る人も増えるでしょう。
たしかに、内容量が減ることで、同じ消費量を維持しようとすると購入頻度が増えます。
その結果、コストだけでなく、買い物の頻度や量が増えることにより時間や労力もかかってしまいますね。
私も毎日コーヒーを飲むので、「あれ?最近買ったのに、なくなるの早いな」と思うことが増えたような気がします^^;
また、その分商品の包装や容器の廃棄量も増え、環境への影響も懸念されますね。
ステルス値上げに対する世間の反応
今回のカルビーポテトチップスの実質値上げを受けて、消費者からさまざまな反応がありました。

ステルス値上げに対する不満や価格据え置きで内容量が減ることへの不信感、パッケージと内容量のギャップ、購買意欲の低下など、全体的に「ステルス値上げ」に対する批判が多く、消費者の不信感が高まっている状況がうかがえます。
これだけ他の商品も値上げが続いているので、内容量を減らすより値上げの方が許容できるという意見もありました。
私も、袋が空気で膨らんでいるので、開けた瞬間の残念感は感じたことがあります。
「絶対にこれしか買わない」というこだわりがなければ、同等でお得に買える商品に切り替えるのも、消費者として選択が必要になりそうです。

値上げはさておき、ポテトチップスに関しては健康面について食べすぎないメリットとして考える方も。
また、一人暮らしや高齢世帯では、商品によっては使いきれない、食べきれないので、量が減る方が助かるという意見もありました。
みなさん、企業としても仕方ない対応であることは理解しながらも、代替商品としてPB商品を検討している人も多いですね。
まとめ
今回は、カルビーのポテトチップスが実質値上げするということで、ステルス値上げと消費者の反応をまとめてみました。
カルビーからは事前に発表がありましたが、告知義務がないため、いつの間にか値上げになっている商品も多数あります。
消費者としては、ステルス値上げを見極めるために、以前の内容量と比較する習慣をつけることが重要ですね。
また、価格だけでなく、コストパフォーマンスを考えて商品を選択することも大切です。
企業側も、単に内容量を減らすだけでなく、品質向上や環境への配慮など、消費者が納得できる付加価値を提供することが求められるでしょう。
ステルス値上げは今後も続く可能性が高いため、私たち消費者は賢く買い物をしながら、企業の動向を注視していく必要がありますね!

